without you
52
土曜日は、朝から雨だった。
だから、というわけじゃないけど、その日私は、純世さんのおうちで過ごした。
彼と一緒に。

純世さんと一緒に何かをすること。
たとえば、一緒にごはんを食べたり、料理をしたり。
かと思えば、同じ部屋でそれぞれ読書にふけったり、DVDを観たり。
別の部屋で、それぞれしたいことをしていても、彼と同じ空間を共有していると思うだけで、私は安心することができた。
彼と一緒に仕事をしている時に感じる、平穏さや安らぎと似ている。
それでいて、これは別もの。
いや、特別なものだ。

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