without you
その日の夜。
私は、純世さんと一緒に、自宅マンションへ戻った。
管理人の皆川さんにお礼と挨拶を済ませて、部屋に入った私は、自分のおうちなのに、他人のお宅にお邪魔しているような感じがした。

丸二日、留守にしていただけなのに・・・ヘンなの。
あ。もしかしたら、ここに張り込んでくれていたチーム寺井のみなさんが、自分たちの痕跡を消すために、掃除してくれたからかな。
ハンマーで叩き壊したノートパソコンは、キレイに処分してくれてるし。

私は、周囲をキョロキョロ見渡している彼に、「純世さん?」と呼びかけた。

< 586 / 636 >

この作品をシェア

pagetop