without you
54 (最終話)
翌日。
私は仕事を休んで、両親が住む実家へ行った。
「A-spade」に勤めて6年目。
休暇を取ったのは、今日が初めてだ。
純世さんも事情が分かっているので、快く送り出してくれた。

もしかしたら、「俺も一緒に行く」と言うかなと思った。
だけど、彼はそう言わなかった。
彼は社長だ。
私の突発事項で仕事を放り出すわけには、いかない。

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