魂‐soul‐
「なんか長いよな」
 
組んだ左足の膝上に手を乗せながら湊は独り言を呟いた。

前回のゲームは時間ギリギリでクリアしたため待ち時間が非常に長く感じられる。

頭をよぎるのは向こうの道に進んだ二人の安否。

やはりじっとしていられず、たったの五分で腰を上げた。

意味もなく部屋をウロウロする。

棚の上に飾られている兎の人形がこちらを見ている気がした。

目が合った瞬間、嘲笑われているという被害妄想に陥った。

次第にイライラが募り手で振り落としてしまった。
< 81 / 170 >

この作品をシェア

pagetop