お嬢様の秘密III
「……ということなの。お母様、私を試したんですか?」
竜也さんが入れてくれたお茶をチビチビと飲みながらお母様をジト目で睨んだ。
「……違うわ。確かに私の部下が大所帯で押しかけてきたのは面倒だけど、話しかけてきた人は渚の旦那なんかじゃないわ。」
「え………?だって渚さんの名前だしてたし。私を『優莉』だと確信していたらしいから娘っぽいかんじで話したけど?
………実際にそうだけど。」
元気そうな様子をお母様にホッとするも、さっきの会話が気になって落ち着かない。
「ユリ様、私の旦那は秋本グループの1会社の役員です。おそらく話しかけてきたのは旦那の兄だと思います。
あの人は出世に目がないような人で。………見かけは優しそうに見えるでしょう?」
そばにあったポットでお湯を注ぎながら答えてくれたのは、長身の女性。
「初めまして、ユリ様がお部屋に入られたときは私はこの続き部屋の隣で仕事していたから気づかなかったようですわね。
私が増井渚です。」
まっすぐに伸びた長い黒髪をさらっと揺らした。
かっこいい……。
「お名前はお母様からお聞きしていたのですけど、お会いするのは初めてですね。お願い致しますわ。」
冷たい印象を与える彼女だけど、可愛らしい笑顔の持ち主だった。
竜也さんが入れてくれたお茶をチビチビと飲みながらお母様をジト目で睨んだ。
「……違うわ。確かに私の部下が大所帯で押しかけてきたのは面倒だけど、話しかけてきた人は渚の旦那なんかじゃないわ。」
「え………?だって渚さんの名前だしてたし。私を『優莉』だと確信していたらしいから娘っぽいかんじで話したけど?
………実際にそうだけど。」
元気そうな様子をお母様にホッとするも、さっきの会話が気になって落ち着かない。
「ユリ様、私の旦那は秋本グループの1会社の役員です。おそらく話しかけてきたのは旦那の兄だと思います。
あの人は出世に目がないような人で。………見かけは優しそうに見えるでしょう?」
そばにあったポットでお湯を注ぎながら答えてくれたのは、長身の女性。
「初めまして、ユリ様がお部屋に入られたときは私はこの続き部屋の隣で仕事していたから気づかなかったようですわね。
私が増井渚です。」
まっすぐに伸びた長い黒髪をさらっと揺らした。
かっこいい……。
「お名前はお母様からお聞きしていたのですけど、お会いするのは初めてですね。お願い致しますわ。」
冷たい印象を与える彼女だけど、可愛らしい笑顔の持ち主だった。