怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
3人で流れ作業の後片付け。
「ごちそうさまでした」
玄関から聞こえる美祈の声に
「おぅ。またな」
リビングのドアから顔を出して見送る柊哉。
「おい、ドア開けろ」
トレイを持つのは今度は瑛太。
この乱暴な口調がなぜか美祈は心地がいい。
「なんで、もじゃ男の乱暴な言葉遣いは怖くないんだろ」
エレベーターのボタンを押して下がっていく数字の点滅
「愛だよ愛」
これもいつもの軽いノリ。
「そうですね。愛なんでしょうね」
真面目に返されると動揺するものだ。
「お…おいっ。そこは、愛情より金をくれとか、あーいって手をあげるとかな」
「ごめんなさい。そういうものなんですね。何か嬉しくてつい」
これから俺はこいつと部屋で2人っきりになるんだぞ。
頼む、俺を挑発しないでくれ。
煽られたら俺の理性なんか簡単に崩壊しちまうよ。
初めて恋愛する女と久しぶりの恋愛の男。
それは可愛い子羊と眠れぬオオカミ