怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
昼間のちょっとした騒ぎのせいか今日は芹沢も残業をしている。
やっと終わったようで、片づけを始めたので柊哉も仕事のけりをつけた。
駅までは離れて歩き
最寄り駅近くで声をかける。
「頑張ったな」
「なんか嘘ついた事が気になってて」
「嘘も方便、誰も傷つけていない嘘なら大丈夫」
握っているスマホが目に入り瑛太に連絡していたことを察する。
「瑛太、何だって?」
「さすが俺の教え子って」
勇気を出したのは芹沢だ。
あれは、相当勇気が必要だったはずだぞ。
だが、俺たちの部屋にいるつもりで言ってましたって粒良な瞳をキラキラさせて俺を見るから未だに慣れない俺はテレくさくてちょっと横を向いた。
駅につきスーパーへ寄ろうとしている芹沢を
「家で祝杯だ」
そう言ってそのまま帰宅させた。
コンビニの角を曲がると
ほら、瑛太が心配で出迎えてる。
そんな姿に微笑んでしまうのは、もはや巣立つ子どもを見ている親鳥。