怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
一方、ドキドキしたままラッシュに揺られ出勤した美祈は、すぐに給湯室へ行き雑巾を絞るとフロアの全員のデスクを拭き始める。
まだまだ人より仕事が出来ない自覚あり。
せめて気持ちよく仕事をしていただこうと終業時間の30分前には会社に到着。
すぐに課長である柊哉が出勤し
「芹沢おはよう」
「お…おはようございます」
美祈にとって憧れの課長との少し特別な時間。
「あ…今朝の」
そこまで言って、柊哉は何でもないと口を噤む。