怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


まだ小川のせせらぎで遊んでいる美祈にに近づくと

からかうように濡らした指先で水を飛ばした。



「うは~やりましたねぇ」


両手いっぱいに水を掬いかける真似をしてから同じように指先についた水を飛ばしてきた。


意外とノリはいいんだな。


それでも

「カメラ大丈夫でした?」

すぐに見せる心配そうな顔。



「あんたの動きで濡らすほど鈍ってねぇよ」

ついつい乱暴な言い方をしてしまうのに、


「良かった」

心底ほっとした顔を見せ古臭いメガネの奥がカーブを描く。

つられたように瑛太の口元は緩み目元はカーブを描く。


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