怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


エレベーターの前へ来るとコタが上に行くボタンを押そうとしている。


「お前は下だろ」


「瑛太さんが上がった後で降ります」


社会人、お前は立派な社会人だ。


コタの肩をポンッと叩くと階段を指さし


「俺は2つ上がりゃいいだけだ」


「いや、それじゃ」


「まだ老いてねぇぞ」

じゃあなと小さく手をあげる瑛太におやすみなさいと頭を下げるコタの姿。

いい友人がいるんじゃないかとホッとしながら瑛太は階段を上がった。



自分の家のドアを開け

「柊ちゃん淋しかった~?」

ご機嫌で部屋の中へ足を進める。


さっきまでいた部屋よりずっと広いリビング。

ダイニングテーブルにどでかいソファー。

冬になればリビングの端には柊哉の熱き要望で炬燵が登場する部屋だ。

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