怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


壁にかかるのは時計とカレンダーと瑛太の撮った写真。


お洒落でセンスのいい品とレイアウトだけれどどうみたって男所帯。


「柊ちゃん、花でも置くか」

「何だよ急に」

「この部屋は乾いてる。潤いがねぇ」



ピッ



柊哉が押したのは加湿器のボタン。


「お…おぅありがとよ」

潤いまで機械頼みかよと思わず苦笑い。


暇を持て余している様子もなく読書をしている柊哉の姿に、これも贅沢な時間だよなと納得してしまう。


言われなくてもコーヒーを入れてあげるのも

置かれたコーヒーを驚くこともなく口にするのも

当り前になってきている現状。


「不自由がねぇってのが不自由だな」

瑛太の言葉に返事はなかったが

「おぅそういや明日の午後から3日ぐらい留守するわ」

不在になるのをきっちり連絡。


「今度はどこ」

「北陸」

「カニか」

「カニだ」


それだけ話すと部屋に戻って明日の準備。



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