怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
一方、スポーツジムで汗を流した柊哉が帰宅したのは夕方近く。
サウナの良さがわかるようになったとこちらも独り言。
エントランスのところで二人の女とすれ違う。
「瑛太が言ってたのはあの子だな」
こんなに可愛い子がこのマンションにいたんだと口元が緩むのは、美祈と同じぐらいの年齢だから。
「でもな、俺の事見ても怯えてた気がするな。瑛太に似て来たか?あれだな。あの怯え方は芹沢を思い出すな」
ダイエットじゃねぇしと確認するように冷蔵庫から取り出すビール。
ふと見ると炊飯器にはタイマー。
行ってくるな
そんなメモを見ては吹き出す。
「瑛太に愛されてるな」
くだらない会話も1人ではつまらない。
かと言って女友達はもう家庭の主婦になっている。
それこそ会うなんて問題だろう。
会社に女の子はたくさんいるが、休みの日に会いたい子がいるわけでなし会えば会ったで大変だ。
俺、休みに会う女も会いたい女もいねぇじゃん。
いや、そんな事すら忘れていたような気がする。
ビールを持ってソファーに座るとスマホを取り出し瑛太にメール。
まずは 無事ついたかと当然ついているだろうがそこから始めた。