泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
「俺は、沢村が好きだ。」
私から視線を外した郁人は
空を仰ぎ見ながらゆっくりと口を開く、
私も同じく涙が零れ落ちないように夜空を見上げる。
「…ん。」
震える声がばれないように口を閉じたまま返事をする私に郁人がちらりと視線を向けたのが気配でわかった。
それでもその方を見ずに聞き続ける。
「だから、奈緒といや、高山とはもう前みたいに話せない。」
ズキリと鋭く痛む胸。
あぁ、もう名前も呼んでくれないんだね。
涙がこぼれないように瞳にゆっくりと強く蓋をしながら、聞き続ける。
「これから、もう2度と一緒に寝ることも
出掛けることも、
遊びに行くことも
クリスマスを過ごすことも
誕生日を過ごすこともない。」
あぁ、おかしいな瞳に蓋をしたはずなのに、
頬を伝う冷たい雫はなんだろう
雨が降ってきたのかな、
ゆっくりと目を開くと
見えたのは憎いくらい綺麗な満天の星空。