泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


そう覚悟した私に降ってきたのは、

「もう、やだ。

みんな頭上げて?

奈緒ちゃんのせいじゃないわよ。

奈緒ちゃんも被害者なんだから!

もう、郁人もばかよね!

ちゃんと、奈緒ちゃん守りきりなさいよって、

奈緒ちゃん泣いてるじゃない。

けどね、

一馬くん、

1つだけ修正させてもらうわ。」

頭を上げた私たちを無邪気に笑って見つめる佐和子さんは、

お兄ちゃんをニコニコ見つめると、

「奈緒ちゃんは、たしかに一馬くんの妹だけど将来の私達の娘よ!」

と、フフンと笑った佐和子さんに、

みんなはクスクス笑い出して、

私は訳が分からなくなって

首を傾げた。

そんな私に、

「いつか分かるわよ。」

そう私の頭を撫でてくれた佐和子さんは、

そのまま優しく私を抱きしめてくれた。

「よかった、奈緒ちゃんが無事でよかった。」

そう涙を流しながら。


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