泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


「奈緒の笑顔が誰かの笑顔と重なって、

俺が眠ってた時も

いつも誰かが明るく話しかけてくれてて、

その声を聞くとすごく落ち着けたんだ。

だけど、たまに泣きそうに震える声が聞こえて、

俺の中の誰かが、

【奈緒を抱きしめてやんねぇと、

奈緒が泣いてる。

もう泣かせないって決めたんだろ、馬鹿野郎…】

そういうんだよ…

だけど、もちろん奈緒っていう子もわからないし、

どうにもできなかった。

だけど、いつも俺の口から無意識に溢れるのは

奈緒、っていう言葉で、

頭の中にぼやけた映像みたいに、

顔だけがぼんやりとした女の子が映るんだよ…

《郁人、》《郁人》

何度もそう呼ぶんだ。

だけど、

俺が目覚める前に感じた唇の感触で、

俺の腕にずっと求めてた何かが重なった瞬間。

見覚えのない場所にいて、

俺を見つめて涙を流す女の子と、女の人が俺に抱きついてた。

俺にとって知らない人のはずなのに、

すぐに、俺が知らない俺が求めてた奈緒とお母さんだってわかった。」

全然話まとまんないけど…
と言ってから、

深呼吸をした郁人は、

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