泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


クリスマスからはたくさんお金が入る。

お年玉や、

月々のお小遣い。

それらを貯めて私は

郁人の誕生日プレゼントにテーマパークのチケットを買った。

びっくりするんだろうなとニヤニヤしながら私は

下手にチョコレートの箱に入れて郁人の驚く顔を想像してニヤニヤする始末。

だけど、

郁人の誕生日の前の日に来る私の誕生日

その時はひどく驚いた。


急に届いた


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ごめん、
今日行けなくなった

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郁人からのメール。

郁人が隣にいない誕生日なんて初めてで

私は情けなくも泣いてしまった。

滅多なことじゃ泣かない私が

郁人のことになると涙が止まらなくなるんだ。


気づけば夕方の6時

私の誕生日会が始まる時間だ。

「奈緒ー!ご飯よー!」

お母さんの声に私は渋々リビングへと足を進める、

そして、

若干やつあたり気味になりながらもドアを開けると、

パァァーンッ!

7個の破裂音。

え?3個じゃないの?

恐る恐る顔を上げると、

私は言葉を失った。



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