泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


郁人の左足を見ると、私があげたミサンガをつけたくるぶしが青く腫れている。

「なんで、早く言わないの。」

と若干きつく言うと

「…ごめん。」

とだけ言って私と目を合わせようとしない。

そんな郁人にため息をついてから

郁人の足を持って手当てをしていく、

優しく、早く治りますようにという気持ちを込めて

湿布を貼ってその上にテーピングをしてから

サポーターを巻きつけた。

「はい、多分軽い捻挫だからあんまり無理しないでね。

当分は痛いと思うから湿布とコールドスプレーは学校のはだめだからね。

郁人肌弱いんだからすぐ荒れちゃうよ。」

と、湿布とコールドスプレーをマネージャーバッグにしまう。
スクールバッグの中に入りきらないから

いつも2つ持ちなんだ。

皆にはマネージャーバッグと呼ばれている

ピンクのリュックにしまいながら説教中

これは、今年郁人から貰った誕生日プレゼントだ。


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