第二秘書は恋に盲目
その日の夜。手術と手術との合間の休憩時間に院内を歩いていると、目の前から千歳が向かってくるのが見えた。

「あ、須藤先生!
ちょうど良かった。会いに行こうと思ってたんですよ。
あやめちゃん、無事に社長と仲直りできましたよ。それで、須藤先生には色々とご迷惑をおかけしたので…、はい、これ。
お詫びとお礼です。
うちのホテルで大人気のチョコレートです。美味しいですよ」

そう言って手渡されたのは、リボンのかけられた大人っぽく高級感漂う箱。

「チョコレート?」

「はい!
…あ、もしかして甘いもの苦手とか?」

「いや。
貰っておく」

「そうですか。良かった」

…なんだろうか、この違和感は。
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