第二秘書は恋に盲目
千歳は嬉しそうにしているのに、どこかそうは見えない所がある。
何か考え事でもしてるのか?意識がこっちに向いてない気がするのは、思い違いだろうか。

「それじゃあ私はこれで」

「待った。
なんか今日、変な気がするんだけど。いつにも増して」

「失礼な…。
何も変じゃないですよ」

呼吸が荒い?
そういえば顔色も悪い。

「お前…」

早めに切り上げようとする千歳のスーツから覗く腕を掴むと、やはり熱を帯びていた。

「すいません、孝宏さん…わたし…」

そこまで言うと、千歳の身体から力が一気に抜け、俺に寄りかかった。

既に意識がない。
支えつつ額に触れてみると、相当熱が上がっているようだ。
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