第二秘書は恋に盲目
昨日雨に打たれたことが響いたのか…。いつからこんな体調だったんだ?
無理しやがって。

どうしましたか、と数人の看護師が集まってくる。

「高熱だ。
どこか病室へ運びたい」

「わかりました」

そして、案内された空いていた個室に千歳を抱えて運び込んだ。だが、もうここからは外科医の俺がでしゃばる場面ではない。

後のことは駆けつけた八田達に任せた。

それから少しして、診察をした医者の話を聞いていると、過労で身体が疲れている所に風邪を引いたから悪化している、とのこと。

やっぱり風邪か。

大袈裟にしやがって。
千歳の奴、明日目を覚ましたら何て言ってやろう。

そんなことを考えながら、俺はすぐに予定の手術へと向かった。
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