第二秘書は恋に盲目
酔っ払っているのは確実だ。嘘つき呼ばわりしやがった俺の言葉をこうもあっさりと受け入れたんだから。

「孝宏さんみたいに、ちゃんとわかってくれる人もいるんですよねー。

…って、違いますよ。
褒めたんじゃないですからね!図に乗らないでくださいね」

「乗ってねーよ」

ひとりで勝手にパニックに陥って変なことを言い出したかと思うと、店員にカシオレのおかわりを頼んでいた。

「飲み過ぎだろ」

「いいんです!」

どれだけ酔いたんだ。確かに合コンに無理矢理参加させられ、ムカついたのはわかるが…。

目の前の自分の感情にしか目が向かないのは千歳の長所でもあり短所でもある。
このまま酔いつぶれた場合のことを絶対に考えてない。俺の助けを期待されても困る。
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