第二秘書は恋に盲目
それから夢中で走ってたどり着いたのは、ヨーロッパの雰囲気を再現したというガーデニング。石畳の道にぽつりぽつりと立つ街灯が、ぼんやりとオレンジ色を灯している。 本当なら落ち着いた雰囲気に思えるんだろうけど、今は沈んだ雰囲気に思える。

バックから携帯を取り出して、今一番会いたい人に電話をかけた。
出ないかもと思ったけど、息を整える間もなくその電話は繋がった。

『千歳?』

「孝宏さん、今どこにいます?
会えませんか?」

『あ、あぁ。今、委員長に無理矢理パーティーに参加させられて、ホテルにいるんだ。居心地悪くて抜け出して外にいるんだけど…。
千歳は?家?』

「私も…」

その時、前方に携帯で通話をするスーツを着た男性の後ろ姿が飛び込んできた。
< 304 / 334 >

この作品をシェア

pagetop