第二秘書は恋に盲目
「驚いた。他のどの男よりも俺を選ぶんだ?」

…あ。意地悪な孝宏さんが出てきた。
急に抱きついたりなんかしたから怒ってるのかな…。

…だけど、一度溢れた想いは止められない。

「…そうです。

自分勝手だし、怒ったら怖いし、意地悪だし…、でも時々優しい所もあるから…」

想いを言葉にするだけでは足らず、涙となり溢れてくる。

ふっと笑った孝宏さんに、顎の下に添えられた指のせいで顔が上を向く。

あ、この笑顔大好きだ。

なんて、ぽーっとしたのも束の間で、目が合うと一気に恥ずかしさが込み上げてくる。だと言うのに、孝宏さんはどこか楽しそうな表情で、重力に従って頬を伝う涙をその親指で拭ってくれた。
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