第二秘書は恋に盲目
そこにいたのは眼鏡をかけた若い男性だった。

「今日から秘書として働く笠原です。
社長は…?」

「…秘書?」

彼は眉をひそめて疑うような目付きで私を上から下まで見る。

え…、何かおかしい所でもありますか…?

不安に思ったけど聞くこともできず、すっと視線を外したその男性は、無駄のない動きで奥にある扉の前まで移動した。

「社長はこの奥だ。

いいか、自己紹介は手短に。
必要最低限のことだけ言え」

「は、はい」


緊張する。
まだ心の準備ができてないけど、すぐに扉が開かれる。
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