君だから恋に落ちた

 

とくに意味もなく天井を見上げていると、ふと疑問に思った。


「 暁。」  


体を少し起き上がらせ、自分の手の平に目を向ける



「 何で私の側に居てくれるの?」


「 えっ?」



もしも私が暁だったら、私みたいな子と友達になんかならないだろう。



私よりも酷い境遇の暁 


___何で?



「 誰一人として、手を差し伸べることがなかった私を。


暗闇から救ってくれたから」



しまった。

 
そうだった………



「 何回もそう言ったじゃん」



暁に何を聞いてるんだ私は。


視線を暁とは反対の壁の方へ向けた。




「 さてと、カレーでも作ろうかな。」


気まずくなった空気を変えるように、勢いよく暁が立ち上がる。



「 カレー?! えっ、作ってくれるの!?」


「 当たり前でしょ。 動けないくせに… 」


「 っ、動けるし!」



「 あれー?

人の言うことを聞かなかった結果、怪我したのはどこの誰でしたっけ??」



嫌味たらしい言い方をするくせに、私のことを心配してくれてる。


「 大人しく寝てないと食べさせないから。」



そう言われた瞬間痛みを忘れ、即座にベッドに横になった。



「 イっっ………」



「 馬鹿ね。」



「 へへっ 」


布団の縁を両手で握りながら、笑った。



「 何よ、その顔は。」


「 できたら起こしてね、 お母さん♡」


「 あーーはいはい。」



めんどくさそうに私をあしらい、台所に向かう暁は本当にお母さんのようだった。



ボソッ

「 本当にありがとう 」



小さく呟いたそれは、まるで魔法の言葉のように私に睡魔を差し向けた。
 


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