君だから恋に落ちた
蒼矢side


週に一回だけの部活が休みの日


あいつの担任から住所を教えてもらった俺は、下校途中に寄ることにした。



ピーンポーン


女の家に、俺の方から出向くことになるとは。


オートロック式のマンションの二階に一人暮らしてるらしく

玄関であいつの部屋番号を選択し呼び出す




何故だかインターホンを押す手に汗が滲んでいた。


これは俺のせいで怪我してしまったと負い目を感じてるせいだろうか


俺にそんな感情がまだあったとは、驚きだ。



「 はいっ 」


掠れた声で返事が返ってくる


「 俺だけど。 お見舞いに来たよ 」


「 へっ??」


「…………」


嬉しそな声色に、口の端をきゅっと結ぶ


あの女に、お見舞いぐらいは行っとかないと殺されそうだし、来ただけだけだ。


自らの意思じゃない


「 あ、わざわざごめんね。 」


「 いいって。 それよりこれ、買ってきたから開けてくれるかな? 」


こんな事する柄でもないが、ここに来るまでにスーパーで適当に果物や飲み物を買っておいた。



そのスーパーの袋を、カメラに向けて掲げると

痛むだろうに大きな声で嬉しそうにお礼を言ってきた。


そのあとに、インタんホーン越しにあいつが呼吸を乱したのが分かった。


大丈夫かよ__



「 無理しないで。


とりあえず開けて? 」



「 今、開けるっ! 」



風邪を引いた彼女がいたことはあったけど大抵仮病で、

無理しないで。なんてセリフに気持ちを込めたことなどなかった。



なのになんだ今の俺の話し方。


まるで心配してるみたいじゃないか



口元を手で覆い、自動ドアの前に立って開けてもらうのを待った。


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