君だから恋に落ちた
エレベーターで2階まで上がり、
部屋の前に立ってもう一度インターホンを鳴らした。
暑いな……
廊下は外に面していて太陽が容赦なく俺を照りつけた。
中から返事が返ってくる前に、足を引きずるようにして、
急いで玄関に駆け寄って来る音が聞こえてくる
ガチャ
「 お待たせ! わざわざありがとうね!! 」
ニコッと笑い俺を見上げる彼女の姿は、
元気な口調とは相反する姿をしていた。
「 それ。 」
「 あ、これ? 」
左腕を指差すと唐沢は不思議そうに視線をギブスにやり、
「 折れちゃった~」
これまた明るい笑顔で答えた。
ギブスの他にも、膝や腕に縫った跡が視界に入ってくる
写真で見たから重症なのは分かっていたが、目のやり場に困った。
「 暑いでしょ、中にどうぞ~ 」
俺に背を向けて家の中に入る唐沢の顔から、一瞬笑顔が消えた気がした。
家の中は明るくこれほどハイテンションな女子高生が住んでるにしては、家具などが少ない
とても質素な部屋だ。
「 あ、大丈夫? 手貸すよ 」
部屋に気を取られ、俺としたことが壁に手をついて歩く唐沢に手を貸すのを忘れていた。
フラつく唐沢に手を伸ばし、横から支える
唐沢は申し訳なさそうに笑顔でお礼を言い、俺に体重をかけてきた。
思ったより軽いな……
「 ベットの方に行った方がいいよな? 」
「 …うんっ 」
氷枕があるベットまで付き添うと、座らせるときに傷がない部分に触れてみた。
「 熱い__」
「 ご、ごめんねっ
今クーラー強くするからー」
真っ赤な顔でスイッチを押そうとする唐沢から、リモコンを取り上げる
「 え、何っ??」
うるんだ目で尋ねられた。
熱か俺に触られてドキドキしてるのかは分からない
ただ氷枕がある時点で、何であれ熱が出てる奴の前で
これ以上気を遣ってもらう気分にはなれなかったのだ。