君だから恋に落ちた
「 そんなに暑くないから、クーラーの温度下げなくても大丈夫。
それとも熱い?」
目尻を下げながら訊くと、唐沢は顔を俯かせた。
「……さ、寒いぐらい」
「 それじゃ横になっててくれる?
買ってきた物、冷蔵庫の中に入れてくるからさ 」
話しながらキッチンの横にある冷蔵庫を開け、
スーポーツドリンクやカットされた果物を入れる
外歩いてて暑かったから、冷蔵庫開けると気持ちいなぁ
「 聞いたよ、俺のファンとかいう人達にそれやられたんだって? 」
冷蔵庫の扉を閉めながら、尋ねた。
「 ゲッ 」
げっ?
ぱっと後ろに振り向くと、俺に見られて恥ずかしそうに顔を手で覆う唐沢の姿が。
聞き間違いか…
いつも笑ってるか、照れてるかのどちらかである唐沢が
げっ。なんて言うはずがない
「 俺のせいだね、ごめん… 」
今 謝ったのは、別に俺が悪いと心の底から思ってるからじゃなかった。
ただあの面倒なお友達に、俺が謝罪したことが伝わればいい
そんな気持ちで謝った、いや言葉を並べただけだ……
「 なんで!? 」
「 へっ 」
思わず拍子抜けた声が口から出る。
前のめりになって、俺をじっと見つめる彼女の瞳は
怒ってるように見えた。
えぇーと、…なんで怒ってるんだ?
普通、ここでの反応は私を心配してくれたの。ありがとう〜 嬉しい〜〜
とかで。
唐沢の場合は、蒼矢がお見舞い、もしくは心配してくれただけでもう治った〜
などと言うものだと予想していた。
「 だって私が勝手に付いて行って、結果こうなったんだよ?
蒼矢のファンって言っても、ファンが何かをしたからって蒼矢の責任になるの?
そんなの可笑しいじゃん! 」
いやいや可笑しいのはお前だろ
何がどうであれ、怪我をする羽目になったのは俺のせいだろうが
「 そっか、優しいんだね。
ありがとう 」
力なく笑ってみせたが、依然怒りは収まらないようで…
「 お礼を言われるようなことなんてしてないよ!
なんで蒼矢は自分が悪くないと思ってることを、みんながそう思ってるだろうからって謝罪したりするの? 」
「 っ 」
さらっと俺が悪いと思ってないことを言い当てられ、言い返そうとしたが言葉が詰まった。