君だから恋に落ちた
蒼矢side



「 ………で、今度は何の用? 」



謝罪もした。


見舞いにも行った。



それに上級生が誰かも突き止めようとしてやってる





これ以上俺が、唐沢についてこの女に怒られることなんてあるのか?



昼休みに空き教室に呼び出され、早く済ませたい俺は相手が口を開く前に用件を尋ねる



女は腕を組みながら、俺を睨みつけてきた。



「 石崎君が瑠璃のお見舞いにもう二度行くつもりがないのは分かってる。

そもそも行って、謝罪したというだけでも奇跡だしね 」



なっ……


爽やかな笑顔を浮かべながら、眉をピクっと動かす




「 と言っても、あなたが行ってくれたおかげで瑠璃は元気になった。

ありがとう 」


「 はっ? 」


俺を貶したいだけなのかと思えば、お礼を言われ

両眉を吊り上げたままになった。



「 私だって礼なんて言いたくないわよ

ただ瑠璃に怒られるから言うだけ 」


唐沢に言われたからかよっ


不服そうな顔だが、それでも俺の視線から逃げようとしない


「 見舞いに行けとか、もっと何かしろ

何て言うつもりはさらさらない。


今回は瑠璃に頼み事されたから、それを実行しにきただけ 」



あーそうですか



女はスカートのポケットから紙を取り出し、俺に差し出す。



俺は無言でそれを受け取った。



「 じゃっ、渡したから 」


「 ありがとう 」


俺が紙の中身を確認する前に、女はそそくさと部屋を出て行った。





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