君だから恋に落ちた



……遠い。


どこまで行くんだろ?


先輩と同級生が混合してる集団の後ろを大人しくついて行く



「 ここら辺でいいかしらね。 」


そう言い立ち止まったリーダー格の先輩。


周りを見渡すと部活用の倉庫しかなかった。


なるほどね~


先が予想できた私は、却下されることを承知の上で頼んでみることにした。


「 あの、昼休みもうすぐ終わるんでできれば手短に、お願いします。 」


「 はぁぁ??

あんたにそんな権利あると思ってんの? 」

ガツッ


一応ありますとも、人間なんだしっ


殴られながら苦笑いする。



「 だいたいあんたうっとしいのよ! 」

ドカッ


確かにね、自分でも自分のこと鬱陶しい奴だとは思う。



「 私達の石崎くんなのに!! 」

バキッ


いやそれは違うでしょッ


だいたい人を物扱いしたら……



____うん?

音の割には殴られたところが痛くないな??




おそるおそる片目を開けてみると、目の前の子が

あらぬ方に曲がってる指を泣きそうな顔で庇っていた。



「 もしかして指折れちゃった?!

大丈夫!? 」


「 なッ。 」

パシッ


とっさにその子の手首を掴んだ手を、他の誰かに払われた。


「 後はうちらがやるからあんたら帰りな。 」



リーダー格がさっきの子と他の面目を睨みながら言う


へぇ、一応人情ある人なんだ〜


さすがリーダー。



チームをまとめる人は、全体を見れて思いやりを持てる人でないとねっ


「 ほら来い! 」


「 痛って。


あ、ちゃんと保健室に行ってね! 」


殴られた痛さと髪の毛を引っ張られてる痛みに、

少々顔を歪めながら指が変な音した女の子を指差して言った。




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