オークション
☆☆☆

翌日。


マラソン優勝のお祝いでケーキを嫌というほど食べたあたしは、朝食を抜いて登校していた。


張り切ってケーキを作るのはいいけれど、限度というものがある。


テーブルが埋まってしまうくらいの大きさのケーキを思い出し、胸やけがして顔をしかめた。


そんな状態で教室へ入ったとたん、歓声が聞こえてきてあたしギョッと目を見開いた。


見ると、黒板に大きな文字で《県大会優勝おめでとう!!》と、書かれている。


教室内を見回せばほぼ全員が登校して来ていて、あたしの為に準備してくれていたのだということがわかった。


「おめでとう、北川さん!!」


委員長がシロやピンクの立派な花束を持ってきてくれる。


委員長はあたしが才能を購入したと知っているので、なんとなく視線を合わせずらかったが、「ありがとう」と、花束を受け取った。


「本当、すごいよね北川さん!」


「今日のニュース番組でも昨日のマラソンの事やってたよ!見直しちゃった」


「おめでとう、北川!!」


あちこちからそんな声が飛んできて、自分の頬が赤くなるのを感じた。
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