チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



翔斗は準備室から戻ってくると、「行くぞ」とだけ言ってあたしの腕を掴んだ。



「"テレポート"」



そして一瞬だけ強い風が調理室に吹いた。



あたしはぐっと目を瞑って翔斗に身を任せた。



着いた場所は寮のあたしたちの部屋。



きっとあたしの特訓がまた始まるんだと思う。でも正直言って、今は翔斗の鬼特訓についていける自信がない。



でもそんなこと言ってられないのが今の現状。



あたしの心の中がモヤモヤしてるのとかそんなのは関係ない。



「もうコンクールまで時間がない。



自分で3分で材料を用意して、8分立てで塗り用のホイップクリームを作れ」



翔斗はキッチンタイマーを3分にセットするとスタートボタンを押した。



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