願わくはキミに


「なにいじめてんすか、先輩」


いきなり、ドカッと厚い本か何かがちょび髭の頭の上に落ちてきた。


そのあとちょび髭の後ろから聞き覚えのある低い声が私の中で木霊する。



「ってー…」



頭を押さえながら彼が後ろを向いたので、誰が犯人か私の目に映る。



「あ…」



思わず声を溢してしまった。


だって、そこにいたのは。



「あんた…」



…『傷だらけの彼』だったから。


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