Butterfly
困惑する市谷さんを尻目に、龍平さんはハンカチを取り出して「はい」と咲良に手渡した。

咲良はそれで涙を拭いて、「すみません」と謝った。

「いいよいいよ。ずっと女子校だったんだよね?あんまり遊んでなさそうな感じだし・・・。

悪い男の区別なんてつかないよなあ。仕方ないよ」

「はい・・・」

「うーん、そうだなー・・・・・・。うん!そうだ。これからはさ、じゃんじゃん合コンに行くといいよ!

男もいろいろいるんだなーって、そのうちわかってくるからさ」

言い終えて、カラリと笑う龍平さん。

市谷さんは「は?」と言って固まった。

「なんだそのアドバイスは・・・」

怒り半分、呆れ半分、といった様子で龍平さんをジロリと睨む。

けれど龍平さんは全く怯む様子なく、飄々と話を続けていく。

「だってそうじゃないですか。ある程度の世間はちゃんと知っておかないと。

羽鳥さんみたいなお嬢様は、また悪い男に騙されちゃいますよ」

「だからって、なんでそこで合コンなんだ」

「いやいや。合コンほど短時間で多数の男子を学べる場所はないですよ。効率で言ったら一番です。

ほら、うちにも独身男は多いですから。オレと市谷さんは残念ながらダメだけど・・・桜葉女子大ですよ、みんな絶対喜びますって」

「・・・・・・おまえはほんとに・・・何考えてるんだ・・・」

「みんなの幸せです」

「立場と場所を考えろ。完全に職権乱用だ」


(・・・ええと・・・)


今って・・・取調中、だよね?

戸惑って、咲良と私はぽかんと顔を見合わせた。
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