Butterfly
「クスリだって言わないで、サプリメントとかお香とか・・・そういうものに姿を変えてすすめてくることもあるんだけど。

なにかないか。貴見から渡されたものとか」

「渡されたもの・・・」

「今のところ、貴見の顧客は全員クスリを渡されたことがわかってる。もちろん最初はそういったサプリメントとか言われてだ。

抜け出せないくらいになった子もいるんだ。キミも、なにか受け取ってないか」

「・・・」

咲良が、何度もまばたきをして一生懸命記憶を探る。

しばらくそのまま考え込むと、「あっ」と言って声をあげた。

「手紙なら・・・」

「手紙?」

「はい。一度だけ、もらったことがあります」

「どんな内容?」

「えっ・・・あ、その・・・ラブレターみたいな・・・」

咲良が顔を赤らめて、言いにくそうに口ごもる。

その言葉と表情から、手紙の内容は窺えた。

「ふーん・・・。まあ、これ以上内容をツッコむのは野暮だよね。手紙と一緒に何か入ってたりしてなかった?」

真面目に戻った龍平さんが、想像をめぐらし問いかける。

「そうですね・・・。小さなクローバーのモチーフみたいなのは入ってましたけど・・・あとは手紙だけです」

「・・・クローバー・・・」

龍平さんが唸る。

「それ、見せてもらったりできる?」

「はい・・・。家にあります」

「家か・・・」

思案するように、市谷さんが呟いた。

すると咲良は、「あの」と言って決意したように口を開いた。
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