Butterfly
「いやいや・・・。弱ってる時の女の子って、その時支えてくれた男を好きになったりするじゃないですか。

不安になった千穂ちゃんが、来てくれた刑事と・・・とか」

「うおー!考えたくない!」と蒼佑さんが一人で頭を抱え始める。

市谷さんはそれこそ頭痛がするように、額に手を置きため息をつく。

「緊急時に、そんなこと言ってる場合じゃないだろ。相手は犯罪者だ。いつでも警察は守るって・・・誰でも頼って大丈夫だと、安心させておく方が大事じゃないのか。

それともなんだ。瀧石さんはおまえしか頼れない、そんな状況を作っておいて、いざ彼女が助けを求めてきた時、おまえが対応できなかったらどうするんだ」

「う・・・」

「彼女を不安にさせたまま、おまえが行くのを待たせるのか」

「そ、それは・・・」

蒼佑さんがぐっと言葉を詰まらせて、またもしょんぼり肩を落とした。

するとその時、再び取調室のドアが開いて、津島さんや佐渡さんなど廊下にいた刑事さんたちがぞろぞろ中に入って来た。

「取り調べは、もうとっくに終わったんですよね?」

「そう。今は岡本叱責中だよー」

津島さんの問いかけに、龍平さんが笑って答える。

「ですよね」と言いながら、津島さんは呆れ顔でカツンとヒールのかかとを鳴らした。
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