Butterfly
市谷さんは、一度大きく息をはき、その場を仕切り直すように私と咲良に向き合った。

「・・・まあ、キミたち二人とも、今日も会わないって決めたんだ。

これからも、二度とあいつらには関わらない方がいい。

しばらくは可月も貴見もここから出てはこないけど。連絡先も早めに変えて。

もしこれから先、向こうから接触してくるようなことがあったら、すぐに警察に報告するんだ。

今いるオレたちでも誰でもいい。とにかくすぐに知らせるように」

「はい」

二人で同時に頷くと、さっきまでしょんぼりしていた蒼佑さんが、「ちょっと待ったーー!」と突然大きな声を出す。

「・・・なんなんだ・・・。静かにしろ」

「いや、だって・・・。誰でもいいってダメですよ!咲良ちゃんはもちろん誰でも頼っていいけど・・・。

千穂ちゃんは、オレだけにしてください!!」


(・・・えっ!?)


鼻息荒く、蒼佑さんが食いかかる。

市谷さんは「は?」と顔を曇らせた後、即座に恐ろしい顔に変化した。

「なんだその自分勝手な発言は」

「だってですよ!そんな感じでオレ以外の誰かを頼って・・・千穂ちゃんとその誰かが、いい雰囲気になったりしたらどうするんですか」

「・・・・・・なんだそれは・・・。なるわけないだろ」
< 155 / 186 >

この作品をシェア

pagetop