Butterfly
ストレートな問いかけ。

私はさらに胸を鳴らして、下を向いたまま「うん」と小さく頷いた。

「無理してない?」

いつもと違う声だった。

窺うようなその声に、私はなぜだか不安を感じた。

「してないよ・・・。なんでそんなこと聞くの?」

「里佳さんとか・・・玲奈さんとの付き合いがあるから、それを気にしてるのかなって。

もしそういうの気にして付き合ってるなら、ほんとに・・・無理しないでほしいから」

「えっ・・・」

私はとても驚いた。

蒼佑さんが、そんなふうにまさか思っていたなんて。

私は思いもよらなくて、そのまま言葉につまってしまった。


(でも・・・)


今までのこと。今日のこと。

彼にそう思わせていた、自分自身を振り返る。

距離を置いて壁を作った。何度も嘘をついてしまった。

築いた壁が、決して壊れないように。

そして彼がそれを飛び越えて、距離が近づかないように。


(そうなるように、自分でしむけてしまったことなのに・・・)


なのに。

そんな自分勝手な私の意図で、蒼佑さんを、不安になんてさせたくなかった。

好きなのに、その気持ちを、上手に彼には伝えられない。
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