Butterfly
なるほど、と、私はその人を冷静に観察してしまう。

背は高いし、ナンバー2というだけあって、写真で見た印象よりもオーラがあってかっこいい。

バランスよく整えられた黒髪。

妖艶な顔でふわりと笑う。

くっきりとした大きな二重瞼には、とても強い力があった。

「いらっしゃいませ。今日もかわいいね、咲良」

悠翔さんは、王子様のように挨拶をして、咲良の横に腰掛けた。

そして咲良の隣にいる私に目を向け、艶っぽい笑みで会釈した。

「咲良、ほんとに友達連れて来てくれたんだ」

「うん。もちろんだよ!悠翔さんと約束してたもの」

咲良が、嬉しそうに微笑んだ。

頬を赤らめる様子から、咲良は本当にこの人のことが好きなんだと、私は深く理解した。

「はじめまして。悠翔です。咲良からかわいい友達連れて来るって聞いていたので、すごく楽しみにしてたんですよ。

期待通りで嬉しいです」

いかにも営業という感じのフレーズ。

返事に困った私は、無言で軽く頭を下げた。

「名前は、なんていうの?」

「・・・瀧石千穂です」

窺うように声をかけられ、緊張しながら名を告げた。

好みうんぬんの問題ではなく、ここまで目力の強い人に見つめられると、思わず目をそらしたくなる。
< 43 / 186 >

この作品をシェア

pagetop