Butterfly
「千穂ちゃんか・・・。咲良と同じ大学なんだよね?」
 
「はい」

「そっか。嬉しいな。桜葉女子大のお嬢様が、もう一人、こんなところに来てくれるなんて」

「・・・」

私はまた、返事に困った。

どう反応したらいいのかわからず、またもや無言で頭を下げた。

「・・・あのね、悠翔さん」

甘えるように、咲良が悠翔さんの腕をつついた。

そして「これ」と言って小さな箱を手渡した。

「欲しがっていたでしょう?見つけたから、悠翔さんにプレゼントしようと思って」

受け取った悠翔さんが、箱の蓋をパカリと開けた。

するとそこには、某高級腕時計が、キラリと中に佇んでいた。


(わ・・・!これって・・・!)


詳しくは知らないけれど、高価なものであるのは確か。

私は咲良がそんなものを、彼氏・・・かよくわからないホストの男性に手渡す様が、嘘の出来事のように見えた。

「・・・ありがとう。よく覚えててくれたね」

悠翔さんが、咲良に微笑む。

「咲良はほんとに優しいな」

そう言って、悠翔さんが咲良の頬にキスをすると、咲良は本当に嬉しそうに笑って、頬を真っ赤に染めていた。


(・・・びっくり、だな・・・)


ショックのあまり、私は呆然としてしまう。
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