Butterfly
本当に、彼氏なのか。

甘い言葉をかけられて、悠翔さんに騙されているのか。

それとも・・・。

悠翔さんはホストとして普通の接客をしているだけで、咲良が『彼氏』だって思い込んでいるだけだろうか。


(わからないけど・・・。ちょっと、このまま放っておくわけにはいかない気がするんだけど・・・)


考え込んでいると、悠翔さんに「千穂ちゃん」と声をかけられた。

「キミにはね、俺の後輩を紹介したいと思ってるんだ」

「・・・え・・・?」

咲良の肩を抱きながら、悠翔さんに話を振られた。

私はなんのことだかわからずに、眉間にしわを寄せてしまった。

「最近俺の紹介で店に入ったヤツなんだけど。高校の時からの後輩でね。かっこいいし良く気が付くんだよ」

「はあ・・・」

「千穂ちゃんがそいつを気に入ってくれれば、咲良と二人で来れるでしょう」

「・・・」


(・・・そういうことか・・・)


悠翔さんが、咲良に友達を連れて来るように頼んだ理由。

自分の後輩に、早く顧客をつけさせたいって思ったからだ。

「とにかく会うだけ会ってみて。いいやつだから。きっと千穂ちゃんも気に入るよ」

「いえ、あの・・・」

断る間もなく、悠翔さんはそう言うと、「シン呼んで」と、近くにいたスタッフの男性に声をかけた。
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