Butterfly
(私にも王子様が現れたんだって、本気で舞い上がってたな)


男の人は、基本的に苦手だった。

だけど、可月さんはとても優しくて大人な感じで、今まで知っている男性と、全く違って見えたんだ。


(そうだ・・・。今まで知っている男の子・・・男の人とは、可月さんは違うと思った)


私が、男性を苦手な理由。

それは、小学校時代に、男の子からいじめを受けたからだった。



私の胸には、左右の乳房にまたがった、大きな赤い痣がある。

これは、生まれたときからあったもの。

原因はよくわからないけれど、「悪いものではない」と、医者から診断を受けていた。

放っておいても害はないものだけど、とにかく大きく目立つため、「小学生になったらレーザー治療を受けるといい」と、それでとれる可能性があることも、両親は医者から説明されていた。


(それで、小3の時から何度か治療を受けたけど・・・私の痣には全然効かなかったんだよね)


後は、手術で除去する方法がある。

けれど痣は広範囲。

命に関わるものならば、否応なく受ける選択肢しかないけれど、下手をしたら、今度は大きな傷跡が胸に残ることになる。

それこそ絶対に避けたかったし、ただ単に、身体にメスを入れるということが、私はとても怖かった。
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