Butterfly
見かねた蒼佑さんが、言いにくそうに会話の中に入り込む。

けれど津島さんは視線も向けず、「黙って」と彼のことを一喝した。

「岡本くんから声をかけたのは私も聞いてる。でも、そう仕向けられたんじゃないかしら。

それか・・・そうだなあ、最初はその気もなかったけど、警察官の彼氏なら都合がいいって、途中で思い直して付き合うことにしたかもね」

「ね?」と、津島さんは私のことをじっと見た。

誘導尋問というのだろうか。

有無を言わさないような雰囲気に、思わず頷きそうになる。

「もう、率直に聞くわね。あなた、可月とも恋人関係なんじゃない?」

「・・・!?」

「今まで私が話してたこと。あなた、ずっと『初めて聞きました』みたいな顔をしながら聞いていたけど。

あなたも仲間なんじゃない?可月から、岡本くん使って警察の情報盗んでこいとか言われなかった?」

「!?」


(・・・そんなこと・・・!)


驚いた。

驚きとショックが重なり、言葉が全く出なかった。

そのままただただ固まる私に、津島さんはにやりと笑いかけてきた。

「・・・図星?」

「ち、違います・・・!」
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