Butterfly
(強硬手段・・・?)


無理矢理、服を脱がされたりとかするのだろうか。

私はびくりと身構えて、ワンピースの布をますますぎゅっと強く握った。

「ちょっと、誰でもいいから婦警呼んで」

津島さんが、イライラした様子で短い髪をかきあげた。

すると蒼佑さんが「待ってください!」と津島さんの前に身を乗り出した。

「ちょっと・・・二人だけで話をさせてもらえませんか」

「なに言ってるの」

「お願いします」

「ダメよ。岡本くん、この子に上手く丸め込まれそうだから」

「大丈夫ですよ。また・・・騙されてるとか言われそうですけど。

本当に、彼女はそういう子じゃないんです。そんな器用な子じゃないんですよ。普段だって、甘えるようなタイプじゃなくて・・・。

・・・正直、もっと甘えてほしいって思うくらいで」

最後の一言は、独り言のようだった。

それでも津島さんは「でもねえ」と言って、難しそうな顔をした。

その時。

突然、部屋のドアがガチャリと開いた。

驚いて、音の方向に目を向けると、ずっと不在のままだった市谷さんが姿を見せた。
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