Butterfly
部屋の中に、気まずい空気がシンと流れた。

きっと彼も、聞きたくなかったと思う。

「昔って・・・いつ頃?」

「高校二年生の時。ほんとに少し・・・1ヶ月ぐらい付き合ってた」

「・・・4年前か」

「うん・・・」

「なんで別れたの?」

「・・・いろいろあって・・・私は振られた方だから」

これだけは、詳しいことは言いたくなかった。

誠実に向き合おうとさっき決めたばかりなのに、私はずるいと自覚しながら、ありきたりな言葉で濁した。

けれど蒼佑さんは納得したのか、「そっか」と言って、それ以上別れた理由はつっこまなかった。

「その時から、可月はあんな感じだった?」

「どうかな・・・。変わらない印象もあったけど・・・第一印象は、優しくて爽やかな感じだったから・・・」

「それが、付き合うと違った?」

「あ・・・うん・・・・・・少し、違ったかな」

あの時まで、ずっと優しかったから。

あの瞬間まで、私はそう思っていたから。

なんて言っていいかわからず、再び言葉を濁してしまった。

「違ったって、どういう風に?」

「うまく言えないけど・・・その・・・冷たい部分もあったから」

「・・・・・・そっか」

蒼佑さんは頷いて、次の質問に入っていく。
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