Butterfly
あれから。

私は、「身の潔白を確定するためだから」と、一通りの薬物検査を受けた。

その間、津島さんは市谷さんに私の事情を説明してくれていて、陰性の検査結果を確認した後、無事に解放された。

「お疲れ様。ずいぶん遅くなっちゃったわね。送って行くからちょっと待ってて」

「はい」

警察署の出入り口。

津島さんと話をしながら、私は思わず、署の奥を覗いて蒼佑さんの姿を探す。


(・・・いないよね)


身体検査を受けるとき、蒼佑さんはもういなかった。

他の仕事ができたのか、それとも、席を外すように言われたのか。

もしくは・・・きちんとした説明がなされず、私に嫌気がさして、自分からいなくなってしまったのか。

実際のことはわからないけれど、最後に彼に会えないことは、私をとても不安にさせた。


(これでもう、会えなくなったりするのかな・・・)


不安な気持ちを抱えながら、歩き出した津島さんの背中をぼんやり見つめる。

すると後ろから、「瀧石さん」と突然声をかけられた。
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