ゆるりゆらゆら恋心
私は寝転んでいた身体を起き上がらせると、テーブルに置いておいたスマホを手に取る。
「あ!」
「伊都はまだ知らなくていーよ」
私の行動を察した依くんが、空かさずスマホを奪うと、それをソファーと脇腹の溝にしまい隠した。
「ずるい! 私も依くんにキスマーク付けたいのに」
「いやいや望んでないし」
ソファーの淵に頭を置いて、ジーっと依くんを凝視するも、当の依くんは知らんぷり。
「お願い依くん、やり方調べさせて」
「何も知らない無知な子って可愛いよね」
「私キスマークをマスターして依くんを喜ばしたいの」
「なんでだよ」
好きだからに決まってるでしょーが。