ゆるりゆらゆら恋心
お願いオーラを出したところで、それが依くんに通用しないのは私が一番分かっていることだ。
こうなったら仕方ない、奥の手だ。
「キスマーク付けさせてくれたら、もう制服でここにこない」
「…うそつけ」
「本当」
依くんの瞳が迷うように揺れる。
依くんは私のセーラー服姿が嫌いなのかこの格好で会いに行くと、いつもしかめっ面を浮かべる。
高校2年生なんて、大学2年生でお酒も飲めちゃう大人な依くんからしたら、子供っぽくて仕方がないのかもしれない。
ましてやセーラー服なんて、幼さの象徴としか思われてないのかも。
だから、イヤなのかな。
真相はさておき、私が制服でここにくる理由は、土曜日は午前課外がしょっちゅうあるからってだけで、
なんならその後家に帰って着替える時間が勿体ないからだ。