ショコラlove 短編集1完結
「また泣いてる。」
「フェッ?」
聞こえた声は私じゃない。夏樹だった。
「なんで隠れて泣くの?」
夏樹がこっちに向かってきた。他の子の匂いがしてつらい。私と違う甘い匂い。
「来ないで。」
「やだ。」
それでもこっちに来る夏樹。
抵抗する間もなく抱きしめられた。
「他の子の匂いがするのやだ。やめて。それに可哀想だからって抱きしめないでよ。」
「それってヤキモチ?あと可哀想だからじゃない。俺は真琴が好きなんだよ。」
「そうだよ!ヤキモチだよ!て、ん?」