クールなイケメン男子に惚れてしまって
少し自分が誇らしく思える。




別に今すぐ楓と同じようにカバンを片手に帰っても良かったはずなのに。




責任感っていうのがあるのかな……?




勝手にそう解釈する。




「……ここはね、法則習ったでしょ? それをね……」




「…ああ、なるほど」




時折、相槌を打つあいつ。




ちゃんと真剣に聞いてくれている姿を見ると、こっちまで真面目に教えたくなる。




「んで?」




思ったよりも顔をのぞきこんでくるので、少しやりずらさを感じつつ、また教えるのを再開する私。




「それで、こうやって……」




ほのかに匂う香水の様な甘い香り。




それが私の心を少しづつ癒してくれているのかもしれない。




「……うん。分かったかも」




解説がよほど効いたのか、軽く頷いてから私の方を向いてニコっと笑った。




……こいつ、なんなんだ。




……こんな笑う姿、初めて見た気がする。




何だか、無性に笑いたい気分だ。




それからまた机に向かうあいつ。




……静かだ。




気づけば自習室は誰一人居なくて。
私達二人だけになっていた。




時計を見ても、かなりの時間は経っている。




自習室の窓から流れてくる風は、心地よい。
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